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給与計算アウトソーシングにおけるコンプライアンス遵守


現代の人事部門は、人材管理と従業員のエンゲージメントがビジネスにおいてキーとなる中で、組織内でますます重要な役割を果たしています。ビジネスリーダーや人事部門は、従業員の士気の向上、後継者計画、人事テクノロジーの統合などの人材関連の優先事項に注力する中、多くの組織が給与計算を含む人事管理業務のアウトソーシングを選択しています。


運用効率の向上に加え、人事部門が給与計算をアウトソースする理由として、コンプライアンスがあります。APAC地域だけでも20か国以上があり、それぞれ異なる給与計算の規定が存在しています。そのため、51%近くの企業が給与計算に関するコンプライアンスに確信が持てず、各国の複雑な給与計算規定の対応をアウトソーシング先のベンダーに任せたいと考えています。


給与計算のアウトソーシングは組織にとって魅力的な選択肢ですが、給与計算の法規制遵守の責任をすべて給与計算ベンダーに負わせてよいというわけではありません。人事部門は、アウトソーシング先のベンダーが現地の給与計算に関する法規制に遵守していることを確認し、法的処罰や多額の罰金、風評被害を防ぐ役割を果たす必要があります。


アウトソーシング先の給与計算ベンダーがコンプライアンスを維持するため、人事部門が実践できることをいくつかご紹介します。


給与計算パートナーに対する適切な審査の実施


給与計算のアウトソーシング・パートナーは市場に数多く存在するため、企業は魅力的な料金や機能に惑わされることがあります。これらは間違いなく重要な検討事項ですが、組織は給与計算がコンプライアンスに準拠していることを確認する必要があります。信頼できるベンダーを探す際にコンプライアンス遵守ができているかを確認する方法としてひとつは、関連する認定や認証に注目することが挙げられます。そのような認証のひとつに、情報セキュリティの国際規格であるISO/IEC 270011があります。ISO 27001認証は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の仕様を定めており、これは人材、プロセス、テクノロジーといった情報のセキュリティ管理におけるガイドラインを策定しています。また、American Payroll AssociationのCertified Payroll Professional (CPP)も注目すべき認証であり、ベンダーが特定のレベルの給与計算に関する専門知識やスキルを有していることを証明するものになります。


組織が給与計算ベンダーに対し審査を行う別の方法としては、オンラインレビューの閲覧、過去の参考文献の入手、あるいはインタビューや内部監査の実施などがあります。給与計算ベンダーの信頼性を詳細に調査することで、組織とアウトソーシング先のベンダーの双方が法律の枠から外れることを防ぐことができます。


明確な給与計算ポリシーと手順の導入


社内で明確なポリシーと手順を確立することは、給与計算ベンダーが給与計算に関連する法令を遵守し続けるために極めて重要です。これには、データバックアップの頻度、データ復旧プロトコル、アクセス制御などのデータセキュリティの実施について、給与計算ベンダーと足並みを揃えることも含まれます。また、各従業員が給与計算のポリシーや手順に従っているかどうかを確認するため、給与計算の内部プロセスについて定期的な内部監査を行うことも賢明といえます。同様に、給与計算ベンダーに対し外部監査を実施することで、社内の給与計算ポリシーおよび手順との一貫性を確保することもできます。例としては、年に二度程度、給与計算ベンダーとともにアクセスリストを見直し、ユーザーリストと各ユーザーがアクセスできるレベルを更新することなどが挙げられます。明確なポリシーと手順を確立することで、給与計算アウトソーシングの安全性とコンプライアンスを確保することができます。


法規制の変更を常に把握


コンプライアンスを維持するためには、給与計算に関する法令や規制の継続的な変更を常に把握することが重要です。給与計算のコンプライアンスを維持する責任はアウトソーシング先の給与計算ベンダーにもありますが、社内の給与計算担当者がコンプライアンス違反やその兆候を発見するために、変更を常時把握しておくことも大切です。最初のステップとして、給与計算ベンダーと緊密に連携することでベンダーが最新の給与計算規制を認識していることを確認し、そして次のステップで既存の給与計算ポリシーと手順を見直し、また給与規定の変更に合わせて更新をします。法令や規制の変更に関する情報を常に入手することで、社内の給与計算ポリシーと手続きおよび給与計算ベンダーが、関連するすべての法規制を遵守していることを確認することができます。


優秀な給与計算ベンダーの重要な柱のひとつはコンプライアンスであり、この点を保証できないベンダーは信頼できないと言えます。給与計算ベンダーがコンプライアンスに準拠しているかどうかを確認する方法は様々あり、給与計算ベンダーに対する定期的な監査の実施・アウトソーシング先における既存の給与ポリシーや手順の見直し、また現地の給与関連法規制の変更に常に注意を払うことなどが挙げられます。これらのプロセスは難しいことのように聞こえるかもしれませんが、これらの点を企業の担当者も留意することで、アウトソースした給与がコンプライアンスの点において守られたものになることを完全に保証することができます。


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